2025.09.15
夫婦共有名義の家・住宅ローンは離婚時にどうするべきか
婚姻中に夫婦が共同で住宅ローン(ペアローン)を組んで購入した家は
離婚時の財産分与において、その分け方が大きな問題となります。
今回は夫婦が離婚をする際に、夫婦共同名義の家・住宅ローンを
どのように財産分与すべきかについて解説します。
夫婦共有名義の家、住宅ローンは財産分与の対象
財産分与は夫婦が離婚をする際に共有財産を公平に分ける手続きです。
婚姻中に夫婦のいずれか一方が取得した財産は原則として財産分与の対象となります。
当然ながら夫婦が共有名義で購入した財産についても、共有財産として財産分与の対象です。
したがって婚姻中に夫婦が共同で購入した家と、それに対応する
住宅ローンは、いずれも財産分与の対象になります。
なお財産分与の割合は夫婦それぞれ2分の1ずつとするのが原則です。
ただし離婚協議によって異なる割合を定めることは自由とされています。
夫婦共有名義の家、住宅ローンは財産分与する方法
【1】共有のままにする
一つ目は特に家・住宅ローンを分割せず共有のままにしておく方法です。
共有のままとして現状を維持すれば所有権移転やローンに
関する煩雑な手続きが生じることもありません。
しかし離婚後も家や住宅ローンを共有名義としておくことは
元夫婦の間でトラブルを生じる原因にもなりかねません。
考えられるトラブルの例としては以下のようなパターンが考えられます。
①家の売却や賃貸を円滑に行えない
共有名義の家を売却するには共有者全員の同意が必要です。
また共有名義の家を賃貸するには共有持分割合の過半数を有する共有者の同意が必要となります。
もし元夫婦間で家の売却や賃貸に関する意見が相違した場合には
円滑な売却や賃貸を行うことができません。
②家に住んでいない相手から家の使用を請求される
家の共有者は家全体を共有持分割合に応じて使用する権利があります。
仮に相手が家に住まず自分が住む場合でも相手が家を使いたいと
請求してきた場合には原則として拒否することができません。
③相手が住宅ローンの支払いを滞納する
ペアローンの場合、夫と妻それぞれが住宅ローンの契約者となり
さらにお互いが連帯保証人になることが多いです。
そのため相手が住宅ローンの支払いを滞納した場合には
相手の負担分も含めて自分が支払いを行わなければなりません。
④相手が共有持分を第三者に売却する
家の共有持分は共有者単独の判断で自由に売却できます。
その際、他の共有者の同意は必要ありません。
もし相手が共有持分を第三者に売却した場合
自分は見知らぬ第三者と家を共有することになってしまいます。
そうなれば共有者間のトラブルが発生する可能性はますます高まってしまいます。
⑤共有物の分割を請求される
共有者は原則として、いつでも共有物である家の分割を請求できます。
もし離婚した元配偶者や元配偶者から共有持分を譲り受けた者(不動産業者など)から
共有物の分割を請求された場合、裁判に発展してしまう可能性が高いです。
その結果、不本意な形で家を処分しなければならない事態にもなり得ます。
上記のように離婚後も家を元夫婦の共有のままとしておくことには
多くのデメリットがあるため、基本的にはお勧めできません。
【2】どちらか一方が取得し金銭で精算する
二つ目は家に住み続けたい側が家・住宅ローンを
ともに取得し相手方との間で金銭精算を行う方法です。
たとえば3000万円の価値がある家の住宅ローンが2500万円残っているとします。
この場合、家の価値から住宅ローン額を差し引いた金額は500万円です。
この500万円の価値を250万円ずつに分けることを前提として
家に住み続ける側が相手に対して250万円を支払います。
そして家に住み続ける側が2500万円の住宅ローンを全額負担します。
上記の方法によれば家を夫婦のどちらかが活用したまま
家の共有状態を解消できるメリットがあります。
その反面、家に住み続ける側が精算金を準備できない場合には
分割払いなどの方法を検討する必要があることに注意してください。
【3】売却、住宅ローン返済後の金銭を分ける
夫婦のどちらも家を必要としない場合や精算金の準備ができない場合には
三つ目の方法として家の売却を検討することになります。
家を売却して、その代金で住宅ローンを完済した後、残額があればその金額を夫婦で分けます。
夫婦関係を完全に精算するという意味では、この売却による財産分与が
もっともすっきりした方法といえるかもしれません。
まとめ
夫婦共同名義の家・住宅ローンを財産分与する場合
可能であればどちらかの単独名義とするか
売却して代金を分けるかのいずれかの方法を選択する事をオススメします。
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