2024.04.01
任意売却後に残ったローンはどうすればよいのか
住宅ローンが支払えなくなったときには競売にかけられ家を
売却されてしまいますが任意売却を選択するケースもあります。
ローンが残っていても売却できる仕組みが任意売却ですが
売却してもローンを完済できなかった場合にはどうなるのか。
今回はマイホームの任意売却後に残ったローン残債の支払い義務について
返済額や債務整理の方法などとあわせて解説していきます。
ローンの支払義務は残る
まずはそもそも任意売却とはどのような内容か、復習します。
任意売却とは住宅ローンの支払いがなんらかの理由でできなくなったときに
ローンが残ったまま不動産を売却する方法を指します。
一般的には住宅ローンが支払えなくなり滞納を続けると3~6カ月程度でローンの一括返済を求められます。
一括返済ができなければ、お金を貸していた金融機関は不動産を
競売にかけて売却しますが競売では市場価格の6~7割ほどでしか売却できません。
所有者は安い価格で家を手放し売却金は金融機関に持っていかれ大きな借金だけが残ることになります。
そこで競売を回避し少しでも高値で不動産を売却するための方法が任意売却です。
金融機関としても競売で安くマイホームを売却することで高額な残債を
抱えた所有者に自己破産されてしまうと、以降の回収が見込めません。
それであるなら任意売却でできるだけ高く売却して残債を少しでも回収し
残ったローンを少しずつでも返済してもらったほうがいいのです。
このようにローンが残っていても競売ではなく一般市場で
不動産の売却ができるのが任意売却のメリットです。
しかし説明してきたとおり家を売却してもローンが残っている場合
返済しなくてよくなるわけではありません。
残ったローンは債務者が責任を持って払い続ける必要があります。
とはいうものの、家を売った代金は金融機関に支払ってしまい手元にお金は残りません。
また売却した金額がすべて返済に充てられるわけではなく
不動産会社に支払う仲介手数料や引っ越し費用もないと困ります。
固定資産税などを滞納しているなら、それらも払う必要があります。
売却金額によっては思ったほど残債が減らなかった…ということも起こり得ます。
任意売却後のローンの返済額は交渉可能
多くの場合、任意売却後の返済額は交渉によって分割返済に応じてもらえます。
それは金融機関にとってみれば返済をあきらめ
自己破産されてしまうよりは少額でも返済してもらった方が良いためです。
返済額をいくらにするのかは債権者との話し合いによって決まります。
基本的には債務者の収入や支出に応じ、払える金額が設定されます。
たとえば安定した収入があるなら3万円、収入が少なく不安定なら1万円、といった具合です。
年金しか収入がない、片親世帯で家計が厳しいといったケースでは
月5千円前後に抑えてもらえることもあるようです。
分割返済に応じてくれる金融機関は少なくありませんが必ず認められるわけではありません。
債権者によっては分割返済には応じるものの「100万円は先にまとめて返済するように」と
要求してくるケースもあります。
分割返済に応じてくれるか、どの程度の条件が設定されるかは金融機関によって大きく異なります。
債務者の収入が多かったり、配偶者に預金や不動産などの資産があったりするケースでは
厳しい条件をつきつけられることも決して少なくはないようです。
任意売却後の残債が支払えない場合
・任意整理
任意整理とは借り入れしていた金融機関と話し合うことで
任意売却後の残債を無理なく返済できるよう、支払額の一部を減額してもらう手続きです。
多くの場合、金利に該当する部分がカットされ3年程度の短い期間で返済していきます。
そのため任意整理は任意売却後の残債の額が少なく
一定の収入があり返済の目処が立つ人が用いる方法です。
ただし返済が減るのは利息部分や遅延損害金のみとなるのが
一般的であるため借金自体が大きく減ることはありません。
任意整理を行うと信用情報に登録されいわゆるブラックリスト入りしてしまうので
新たな借り入れやクレジットカードの作成ができなくなります。
実際に返済が免除される金額と信用情報に傷が付くデメリットを
よく比較して活用を検討するようにしてください。
・自己破産
自己破産とは裁判所に支払い不能であることを申し立てて
認めてもらい任意売却後の残債の返済を免除してもらう方法です。
任意売却後に残債を返済したくても収入も財産も不足している場合にできる方法です。
自己破産すると99万円を超える現金や売却などによって
1点あたり20万円を超える価値のある財産は没収されてしまいます。
さらに本人が自己破産したからといって保証人や連帯保証人の責任がなくなるわけではありません。
住宅ローンを組んだときに保証会社ではなく
連帯保証人を立てている場合はそちらに支払い義務が移ります。
保証人となってくれた人に多大な迷惑がかかるため
保証人がいるケースでは慎重に判断する必要があります。
さらに任意整理時と同様にブラックリストにも登録されます。
5年間はクレジットカードを作ることができなくなり金融機関からの借り入れもできません。
また自己破産は誰しもが認められるものでない点にも注意が必要です。
自己破産するときには裁判所の審査があるため
その借金が返済できないほどであることと判断される必要があります。
目安としては年収の3分の1を超えると返済が厳しいとして自己破産が認められるといわれています。
自己破産は法律で認められた、人生を再出発するための制度です。
本当に困ったときに利用することには何の問題もありません。
任意売却後、どうしても返済ができなくなったときには自己破産も視野に入れてください。
まとめ
マイホームを任意売却したからといってローンが免除されるわけではありません。
任意売却後の残債については返済義務が残るため返し続けていく必要があります。
しかし交渉によって返済額を少なくしてもらったり
任意整理で利息部分を免除してもらったり、債務整理することは可能です。
それでもどうにもならないときには自己破産も検討してください。
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