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売買契約~決済・引渡しまでに売主様が必要な準備と引渡し当日の手順

 

不動産を売却するときには不動産会社と媒介契約をして買主を探し

内覧をして売買契約を結ぶなどすることがたくさんあります。
買主様と売買契約を結ぶとひと安心してしまいますが

引渡しが完了するまでにも様々な準備が必要です。
そこで今回は、売却した不動産を引き渡しするまでに

売主様がしておくべき準備と、引渡し当日の手順を解説します。
引渡しをスムーズに進められるよう、流れを頭に入れておいてください。

 

売却した不動産を引渡しするための準備

売却した不動産を引き渡しするまでに、売主がしておくべきことは4つあります。

 

1.所有権移転登記の準備

売却した不動産は引渡しの期日に売主様から買主様に所有権を移転します。
移転登記自体は司法書士が行いますが必要な書類などを準備しておかないと

当日所有権を移転できなくなってしまうため注意が必要です。
所有権移転登記で必要な書類は以下のとおりです。

・登記識別情報(または権利証)
・印鑑証明書(発行日が登記申請する日より3カ月以内のもの)
・住民票(※指示が有れば)

・戸籍の附票(※指示が有れば)
・固定資産評価額証明書(※指示が有れば)


登記識別情報をなくしてしまった場合には本人確認など

特別な手続きが必要となるため予め確認しておいてください。

 

2.抵当権抹消の準備

売却する物件に抵当権が設定されているケースでは融資を受けている金融機関に

残債を返済し抵当権を抹消する準備をしておきます。
抵当権抹消には金融機関によっては準備を整えるのに3週間以上かかることもあります。
金融機関とのスケジュール調整が必要なので不動産会社や司法書士とも相談しながら早めに準備を進めてください。

 

3.測量や境界確認の実施

売却する不動産の境界が明確になっていない場合などは土地家屋調査士に依頼して測量し境界を確定します。
境界を確定するときには隣地の所有者の立ち会いが必要になるので

立ち会いをお願いしたうえでのスケジュール調整も必要です。
境界が越境している、互いに境界に納得しないなどトラブルが発生したときには

調整が長引くことも考えられるため早めに準備する必要があります。

 

4.引っ越しと転居手続き

不動産を引渡しするときまでに新しい家に引っ越しをしておく必要もあります。
残すもの、残さないものを引き渡し条件で明確にしておかないと

「エアコンを持っていくとは聞いていない」などトラブルになる可能性があります。
あわせてガスや水道、電気などの公共料金の清算も忘れないように気をつけてください。

 

引渡し当日の手順

準備が整いあらかじめ取り決めた期日を迎えたら、いよいよ実際の引渡しとなります。
引渡し当日は、以下の手順で進みます。
1. 残金の決済と所有権移転登記
2. 税金や管理費の精算
3. 仲介手数料の支払い
手順をひとつずつ確認していきます。

 

1. 残金の決済と所有権移転登記

一般的に引渡しは売主様から買主様への所有権移転と買主様から売主様への残金の支払いを同時に行います。
これは売主様が所有権を移転したのに残金を受け取れなかった

買主様が残金を払ったのに所有権が移転されなかったというトラブルを防ぐためです。
当日は、まず買主様から売主様に残金を支払い、住宅ローンを利用するときには融資が実行されます。
残金を受け取った売主様は領収書の発行とともに、所有権移転登記に必要な書類を買主様にすべて引渡し

一般的には司法書士が所有権移転登記の申請を行う手順です。
なお売却する不動産に抵当権が設定されているケースでは抵当権の抹消手続きも同時に行います。

 

2. 税金や管理費の精算

固定資産税や都市計画税などの税金や管理費などについては

日割計算したうえで売主様と買主様の双方が負担します。
引渡し前日までは売主様が、当日以降は買主様の負担とするのが一般的です。

 

3. 仲介手数料の支払い

残金と税金などの精算が終わったら不動産会社に対して仲介手数料を支払います。
仲介手数料は上限が以下のように定められており不動産会社は上限以上の請求は禁止されています。
不動産の売買価格       仲介手数料の上限
200万円以上300万円未満   :5% + 消費税
300万円以上400万円未満   :4% + 2万円 + 消費税
400万円以上          :3% + 6万円 + 消費税
仲介手数料を支払い、不動産会社から領収書を受け取ると引渡しは終了です。

 

 

引渡し後に支払う税金

不動産を売却したことによって譲渡所得が発生したときには所得税と住民税が課されます。
譲渡所得の計算方法は以下のとおりです。


譲渡所得金額=譲渡価格-(所得費+譲渡費用)-特別控除
所得費 :不動産を取得するために掛かった購入費や仲介手数料などの費用。

     建物については減価償却費を差し引いて計算します。
譲渡費用:不動産を売却するためにかかった仲介手数料などの費用。
特別控除:売却した不動産がマイホームなどの居住用財産だったケースでは

     3,000万円の特別控除、買い換えの特例などが受けられる場合があります。


譲渡所得を計算する際に差し引ける特別控除には

それぞれ適用条件があるため該当するか確認してください。
特別控除を差し引いたうえで譲渡所得金額がプラスになったときには

その金額に対して所得税と住民税の2種の税金が課されます。
とくに住民税は見落としがちですが金額が大きくなることも多いので

利益が出た場合には予め見込みを立てておくようにしましょう。

 

譲渡所得は分離課税であるため損失が出たときでも通常はほかの所得と損益通算はできません。
しかしマイホームに限っては売却や買い換えで損失が出た場合には一定の要件を満たせば

ほかの所得から損失を差し引ける「譲渡損失と損益通算及び繰越控除の特例」を受けられます。
たとえば700万円の給与所得がある人が不動産を売却し300万円の譲渡損失が出たときには

700万円から300万円を差し引いた400万円で所得税などの税金を計算してもらえます。

 

不動産の売却によって譲渡所得が発生した、あるいは譲渡損失が出たときには、確定申告が必要です。
譲渡所得を計算し、特例を受ければ所得がマイナスになる場合には納税自体は不要になります。
しかし特例を受けるためには確定申告をする必要がある点には注意が必要です。
確定申告は原則として毎年2月16日から3月15日の期間で実施されます。
不動産を売却したときには期間内に忘れず確定申告を行ってください。

 

まとめ

今回は郡山市で不動産の売却を検討している方に向けて

不動産を売却したときの引渡しまでの準備と当日の手順、売却により発生する税金について解説しました。
不動産売却では引渡し当日に残金を清算すると同時に所有権移転や抵当権抹消などを行います。
書類に不備があるなどすると当日に引渡しが完了せず買主様にも多大な迷惑をかけることにもなりかねません。
手順を確認したうえで準備は早め早めに進めるように心掛けてください。

 

 

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