「郡山市」に限定特化した「売買専門」の不動産会社

えんどう不動産株式会社

営業時間9:00~18:00

定休日毎週水曜日

お問い合わせ

ブログ

不動産売買における按分とは何か

 

不動産の売買は誰もが経験するようなことではありません。
一生に一度、多くても数回といった方がほとんどで

これまで聞いたことがない言葉や用語に出くわして、とまどうことも多いものです。
そのひとつに「按分(あんぶん)」があります。
今回は郡山市で不動産の売買を検討している方に向けて「按分」について解説します。

 

不動産売買における按分とは

不動産売買における按分とは土地と建物でひとまとめにされた

不動産の価格を、それぞれいくらなのかを決めることを意味します。
不動産を売買するときには土地と建物をひとつにまとめて売却価格を提示するのが一般的です。
広告などを見ても土地と建物の価格が別々に表示されているのを見ることは

ほとんどといっていいほどないかと思います。
しかし土地と建物のそれぞれが実際にどれくらいの価格なのかは明確にしておく必要があります。
はじめから土地と建物の内訳がわかっていれば良いのですが

そうでなければそれぞれの価格を算出するために按分を行います。

 

按分とは土地と建物のそれぞれの価格を決めることですが

按分が必要になるのは消費税を計算する必要があるためです。
同じ不動産であっても実は消費税が掛かるは建物だけで、土地には消費税がかかりません。
これは家は経年により劣化していく、つまり「消費する」ものであると考えられるのに対し

土地は消費するものではないと考えられているためです。
不動産を売却したときには(課税業者である)売主様は建物分の消費税を税務署に納める必要があります。
そのため土地と建物でひとまとめになった不動産価格を土地と建物それぞれに分けなければなりません。
不動産における按分とは消費税を正確に計算するために行うのです。

 

土地と建物を按分する方法は、以下の4つが考えられます。

・当事者間で決める
・取引時の時価を基準に按分する
・売却時の固定資産税評価額に基づいて按分する
・不動産鑑定士の評価額に基づいて按分する


実は土地と建物の按分の比率は「こうするべき」といった明確な基準がありません。
基本的にはどのように決めても良く当事者間で話し合って決定しても問題ないとされています。
しかし話し合いで互いに納得できれば良いのですが売主様と買主様はお互い

それぞれできるだけ建物にかかる消費税の負担額を減らしたいと考えるため、なかなかうまくいきません。
時価をもとにする方法も、どのように時価を計算するのかが問題になります。
そのためお互い合理的に納得できる方法として固定資産税評価額

もしくは不動産鑑定士の評価額を用いて按分する方法が選ばれます。
理想的には国家資格を持つ不動産鑑定士の鑑定評価を依頼するのが法的にもっともリスクのない方法です。
しかし不動産鑑定士に依頼すると鑑定料に数十万の費用が発生してしまいます。
そのため固定資産税評価額をもとにして按分するのが現実的な方法として選ばれることがほとんどです。

 

固定資産税評価額をもとにした按分

ここからは不動産売買において固定資産税評価額をもとに按分する流れを以下の不動産を例に用いて紹介します。

・税込取引総額:4,160万円
・土地の固定資産税評価額(売却時):1,500万円
・建物の固定資産税評価額(売却時):1,000万円
・消費税率:10%

 

まずは、それぞれの固定資産税評価額から建物の割合を計算します。
建物割合は建物の固定資産税評価額を土地と建物の固定資産税評価額を合算した価格で割ることで算出します。
1,000万円 ÷(1,500万円+1,000万円)=40%
土地割合は全体を100%として建物割合を差し引いたものとします。
100%-40% = 60%
建物割合40%、土地割合60%と算出されました。

 

消費税は建物にだけ掛かるため、建物の価格割合に消費税率を掛け合わせて、税込の価格割合を計算します。
建物割合40% × (1+消費税率10%)= 40% ×1.1= 44%
取引が税込で行われている場合、税込価格は土地割合と税込建物価格割合を合算したものになります。
税込価格の割合=土地割合+税込建物価格割合=60%+44%=104%
ここから税抜の取引総額を算出します。
税抜取引総額=税込み取引総額×(100%÷税込み価格の割合)=4,160万円×(100÷104)=4,000万円
税抜の取引総額は、4,000万円と算出されました。

 

最後に土地と建物の価格を土地割合は60%、建物割合は40%に基づいて按分します。
土地価格=税抜き取引総額×60%=4,000万円×60%=2,400万円
建物価格=税抜き取引総額×40%=4,000万円×40% =1,600万円

 

按分する際の注意点

土地と建物を按分するときの1つ目の注意点は売主様と買主様の双方が納得できる方法を選ぶことです。
これまで売却する側の視点で建物と土地の按分について見てきましたが

実は不動産がどのように按分されるかは買主様側にとっても重要な問題です。
それは、どのように按分されるかによって双方の消費税の負担額が変わってくるからです。
売主様側は消費税を支払う必要があるので、できるだけ建物の比率を下げたいと考えます。
支払う消費税は買主様から預かったものではありますが税額が高ければ

手元に残る利益は減ってしまうため売主様としては建物の按分が小さいほうが得なのです。
対して買主様側は消費税を支払った分は後日控除できるので建物の比率が高いほうが多くの還付金を受け取れます。
お互いのメリットが正反対となることから建物の按分を巡ってトラブルになるケースは少なくありません。
建物と土地の按分比率を決めるときには話し合いで決めるのは現実的ではありません。
双方が納得できる合理的な方法を選ぶようにしてください。

 

2つ目の注意点は客観的にも合理的とされる方法を選ぶことです。
不動産を土地と建物に按分する方法に決まりはなく双方で話し合って決めても問題はありません。
しかし話し合って決めた結果があまりにどちらかに偏っている場合は後々様々な問題が発生する可能性があります。
たとえば買主様側は購入した建物を中古資産として減価償却していくことになります。
しかし建物の按分を極端に低くしているような場合には

減価償却費も適正でないと指摘されて問題になることがあります。
第三者間での売買ではあまり考えられませんが親子間や親戚間では

どちらかを有利にしようと考えることがあることから起こる得ることです。
不動産を按分するときには誰が見ても合理的と判断する方法を採用することが大切です。

 

まとめ

今回は郡山市で不動産の売買を検討している方に向けて

不動産売買における按分とはどういったものなのか、計算の流れや注意点も含めて解説してきました。
按分する方法はいくつかありますが売主様と買主様が双方納得できる

そして第三者が見ても合理的と判断する方法を選ぶようにしてください。

 

 

当社では不動産売買を検討しているお客様にとって、お役立ち情報を随時更新していきます。

郡山市の不動産売却、不動産購入は、えんどう不動産株式会社へお任せください。